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2015/12/19

金曜4限概論発表

一回生のきゃたぴらです。今回の概論は「マンガ史で見る戦後の日本 ~マンガの攻防と繁栄~」で発表しました。

◆はじめに
現代日本において、マンガはなくてはならないものとなっている。マンガはアニメを生み、アニメはCDやDVDやグッズを生み、そしてそれらは海を渡り、世界中で楽しまれている。マンガ大国という呼び名を否定する者は少ない。しかし第二次世界大戦中、日本のマンガの大半は戦争協力をするためだけのメディアにすぎなかった。『のらくろ』(田河水泡)『冒険ダン吉』(島田啓三)などがその代表であろう。では、戦後、アメリカの占領下の中で日本のマンガはどのように生き抜いたのだろうか。そしてどのようにして日本をマンガ大国へとのし上げたのであろうか。また、戦後の目まぐるしく変化する日本社会の中でマンガはどのように変化していったのであろうか。今回はこれらを明らかにするとともに、近頃顕著に見受けられる、昭和期に手がけられたマンガ、ないしはそのアニメ作品のリメイク作品が、なぜ現代のマンガ読者に受けいられているのかを考察する。
※『作品名』(作者、原作者)
※〖雑誌名〗
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2. 紙芝居から赤本マンガへ《終戦~50年代前半》 ☆…マンガ作品、雑誌の発刊
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 食糧難、社会不安など、戦後の混乱期を象徴するかのようなカストリ雑誌の氾濫とそれに相反する未来への期待を見せる綜   合誌の存在
   ⇒敗戦を受け入れる、受け入れないという構造とも類似
  綜合誌、カストリ雑誌、紙芝居の戦後すぐの発生、復活
   ⇒食糧とともに活字に飢えていた民衆
 戦前の漫画家と手塚治虫をはじめとする戦後の漫画家
   ⇒行き場を失った戦前漫画家と新しい手法で画一的なマンガを描いた手塚治虫の対立
 紙芝居の衰退、子供向け雑誌のマンガ化
   ⇒貸本の繁栄がマンガの人気を押し上げた
 悪書追放運動
   ⇒貸本屋、マンガに対する偏見、マンガの地位の低さ

3. 戦後マンガ黎明期《50年代後半~60年》
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 経済成長によるブルーカラーとホワイトカラーの発生
ブルーカラー…現業職や技術職に従事する人々(作業着の色から)
ホワイトカラー…頭を使う仕事に従事する人々(背広→ワイシャツの色から)
経済成長により、ブルーカラーとホワイトカラーの二極化が進む。当時の日本におけるブルーカラーの人々とは、「もはや戦後ではない」をまだ実感できない、未だ生活に余裕のない人々のことであった。
 劇画で見るブルーカラー
劇画を提唱した辰巳ヨシヒロ、佐藤まさあきらは当時まだ二十代前半だった。手塚マンガを読み漁り、漫画家になることを望んで貸本漫画家となったが、当時貸本漫画家はそのほとんどが苦しい生活を送っていた。

「貸本マンガというのは、激しかったです。あれは一人で全部かきますから、売れなかったら、全部責任がくる。本当にもう必死です。安い原稿料で、一冊三万円くらいで、命がけでかくわけですよ。(後略)」
(〖サンデー毎日〗・昭和45年2月15日号より)[石子順造, 1994]p88

このような苦しい生活者であったからこそできたマンガ表現こそが劇画であろう。笑いの要素に乏しい暗い陰りをもった実録的なマンガのかき手として彼らは厳しい貸本マンガの世界を生きようとしたのである。実際、劇画の表現に特に目新しいものはなく、模倣も多くみられたのである。
→ブルーカラーによるブルーカラーのためのマンガ
 少女マンガで見るブルーカラー
貸本マンガが流行したのと時期を同じくして、少女マンガの世界ではお涙ちょうだいものが流行していた。不幸な少女が多難な人生をけなげに生き抜き、そして最後には幸福な人生が待っている。そんな筋書きのマンガが多く現れた。
それと同時に、少女マンガはわたなべまさこを筆頭に、登場する女の子はまるでフランス人形のようにかわいらしく、部屋の家具はブルジョワ風に、というようにヨーロッパを連想させるような雰囲気を纏いだす。
この日本情緒溢れるお涙ちょうだいものは、ブルーカラー世帯の少女の自己投影を誘い、ヨーロッパ風の雰囲気はまた、ブルーカラー世帯の少女たちの憧れとなって、彼女らの人気を集めたのではないだろうか。
 児童雑誌の児童マンガ雑誌化
→戦後マンガの人気は出版社を変えた
 劇画の登場
→マンガ世代が拡大、ハイティーンの読者も引き込む
 テレビ放送の開始
→マンガのアニメ進出の開始、マンガが大人の目にも触れやすくなる 

4. マンガが社会を動かす時代《60年代~70年》
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① ナンセンスギャグ
戦後15年を迎え、東京オリンピック、大阪万博と華やかな出来事が続く中現れたのは、ナンセンスギャグマンガである。ナンセンスにもいろいろあるが、この時期一番目立ったものはそれまでの所謂権威を持つ者(先生、父親、警官など)をこき下ろす描写のあるマンガである。『おそ松くん』では、目玉の寄った奇怪な顔をしたズッコケ巡査を、『ハレンチ学園』では女言葉を話すヒゲゴジラ先生、『天才バカボン』ではバカボンのパパは素っ頓狂なことばかりする馬鹿に描かれている。
また、『トイレット博士』は身体から便が噴き出すなどの奇怪な展開があり、うんこマンガと呼ばれた。
② タブーへの挑戦
ナンセンスギャグとともにそれまでの社会では到底受け入れられなかったであろうマンガがこの頃流行する。ジョージ秋山の『アシュラ』ではあくどい経営者、環境汚染、労働運動などの子供には見えない世界が描かれ、『ハレンチ学園』ではスカートめくり、女子のヌードなどの現在でも教育上よくないとされる描写が多く見られた
③ 怪奇モノブーム
楳津かずおにより、少女マンガを中心に怪奇モノマンガが流行する。これは貸本時代に怪奇モノが流行った直後だった。水木しげるは貸本時代から妖怪マンガを執筆している。
④ スポーツモノブーム
『巨人の星』『アタック№1』などの熱血スポーツ根性ものが高度経済成長と合わせて流行する。これは高度経済成長に伴い、熱血が必要とされたことを背景にしているが、第一次オイルショックを迎え、高度経済成長の終息をもって、熱血よりも青春やけなげな努力といった青春スポーツモノ(『男ドァホウ甲子園』など)が流行する。

 『ハリスの旋風』『サイボーグ009』などの劇画調の連載マンガの登場
→貸本マンガの劇画と少年漫画の融合
 数々の名作マンガの登場
→マンガの地位向上により、マンガ表現の幅が広がったからか?

6,まとめ
  戦後のマンガの発展は
 戦後社会の影響を受けて貸本マンガが生まれるまでの草分け時代
 貸本マンガ、児童マンガ雑誌が社会に揉まれる黎明期
 マンガが社会を動かす隆盛期
の大きく3つに分けられることがわかった。
戦後いち早く復活した紙芝居は貸本マンガと児童雑誌に駆逐され、貸本マンガは週刊マンガ雑誌とテレビに駆逐され、そして今、テレビアニメはマンガがなくてはならないものとなっているのである。
この弱肉強食の時代を生き抜いたからこそ日本のマンガは現在、世界でも高い地位を占めているのではないであろうか。
戦前、国家に利用されたマンガは今、国の経済を動かすほどの地位を持ちっているのだ。マンガもやはり「もはや戦後ではない」のだ。

◆おわりに
今発表ではマンガ史に重きを置いたため、詳しいマンガの内容、作者のことなどは参考文献に依拠することとなった。次発表では内容やその作品がその作者によって描かれるまでの背景などにも注目したい

◆参考文献
清水勲 年表日本漫画史 [書籍]. - 京都 : 臨川書店, 2007.
石子順造 戦後マンガ史ノート [書籍]. - 東京 : 紀伊國屋書店, 1994.
谷川彰英編/矢口高雄・永井豪・里中満智子 マンガは時代を映す [書籍]. - 東京 : 東京書籍, 1995.
池上彰 そうだったのか!日本現代史 [書籍]. - 東京 : ホーム社, 2001.
藤島宇策 戦後マンガ民俗史 [書籍]. - 東京 : 河合出版, 1990年.
米沢嘉博 戦後ギャグマンガ史 [書籍]. - 東京 : 筑摩書房, 2009.
米沢嘉博 戦後少女マンガ史 [書籍]. - 東京 : 筑摩書房, 2007.





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