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2015/12/18

金曜5限概論発表

2回生の咲音です。今回の概論は「江戸時代の旅事情」で発表しました。

‣はじめに
現在、盛んにおこなわれるようになった旅行は、歴史としてはそれほど古くない。旅行会社の役割が大きくなるのは1950年代後半になってからのこと。世界的に見ても、鉄道や船舶が旅客の安全な移動に利用され始めてからのことである。
しかし、日本には古くから今の旅行にあたるような寺社参詣や物見遊山などといった旅をする風習があった。今回、この概論発表では、メインを江戸時代とし、当時の旅の文化とそれに付随して発展した出版の文化、そして伊勢参りを例として江戸時代の人々はどのように旅を楽しんだのか見ていく。

‣江戸時代の旅の発展
平安時代
・御師の登場
  御師…寺社と檀家の間を取り持つ役目を負っていた「役」
特定の寺社に所属し、檀家にその寺社への参詣を啓発したり、参詣者の宿泊時の     
世話や祈祷を行った。
→全国で活躍したのが、伊勢御師 
   彼らは「おんし」と呼ばれた。
→伊勢より早く代表格となったのは、熊野御師
   平安時代末期より貴族の間で熊野詣が盛んになり、宿泊や祈祷の世話をした。

中世
御師の檀家は武士だけでなく、村落にまで広がる。
→各地に点在する伊勢神宮の荘園を媒介に伊勢御師が勢力を伸ばす。

近世
伊勢御師は勢力拡大、熊野御師は衰退
近世の人々は寺社それぞれの「御利益」でお参りする神社仏閣を選んでいた。
→情報源:村の寄合、絵図や重宝記、御師
 →参詣時期:参拝客の宿泊の世話や祈祷
  非参詣時期:各檀家を訪問し、初穂料を受け取り、札・暦・薬を配り、次の参拝の約束
を取り付ける。
元禄以降
民衆化した寺社参詣が遊楽性を強めた。
俳諧や国学の登場
+川柳・狂歌・洒落本・黄表紙・錦絵→うがちの文化
→大衆を対象とした旅文学が数多く登場

文化・文政期
庶民:茶道、生花、歌舞音曲、花見、月見、寺社参詣←行動文化
出版物の登場
・『東海道中膝栗毛』…旅が題材の「滑稽本」
・『金草鞋』

‣出版産業の登場
・『旅行用心集』(文化7年)
旅の心得が説かれている。
東海道・中山道及び諸街道の宿場名、西国巡礼などの各巡礼地名一覧、関所名一覧、駄賃  
附、日本国図
+さまざまな教訓
Ex)道中のトラブルの対処の仕方、疲労回復の妙法、乗り物酔いのまじない、毒虫毒草の注意など

・情報文化の発展
旅が近世に発展した理由
民衆の生活レベルの上昇、交通環境の好転、御師・宿坊の発達、参詣講の発展
情報文化の発達→名所記・名所案内記類・旅を題材にした滑稽本・絵図などの盛業
・名所図会…18世紀末から19世紀半ばにかけて出版された絵入版本。
       地名・名所・寺社・生業・名物などの沿革を記述した地誌。
  ・『都名所図会』1780年
  ・『大和名所図会』1791年
  ・『住吉名勝図会』1794年
  ・『和泉名所図会』1796年
  ・『摂津名所図会』1796年 
 上記すべて編著者:秋里籬島 住吉以外は絵師:竹原春潮斎と組んでいる。

・『伊勢参宮名所図会』1797年
・『東海道名所図会』1797年
  ・『都林泉名所図会』1799年
  ・『河内名所図会』1801年
  ・『江戸名所図会』1834年

・地誌の編纂
地誌:ある特定の地域を対象に自然、地形、歴史など様々な要素をもとにその地域性
を述べたもの。
近世:とても多くの地誌が編纂され、かなり狭い範囲で多くの地誌が編纂された。
→寺社参詣が大勢を占めた旅にも大きな変革をもたらせた。

・旅の情報
〈庶民〉
村に残る道中日記や土産物として購入されてきた名所絵図、実際に出かけた人や御師からの口頭伝承、実際の旅中の案内人の説明
〈知識人〉
その土地に特化した地誌or自身で読破した歌集(歌枕)や歴史書から断片的に情報
を得るしかなかった。

‣伊勢参りに見る江戸の旅
おかげ参り 夢見や奇跡の個人への召命からなるもの
       +世間様のおかげで旅ができる。
抜け参宮  正式な届を出さずに行く若者(往来手形)
※往来手形…道中手形の庶民版。発行は檀家寺や氏神神社。
       手形があれば、旅中に亡くなっても最寄りの寺で密葬してくれた。
江戸~伊勢 片道20日 往復40日
+京都大阪 50~60日

伊勢講
 室町時代:中小の名主が台頭してきて力を持って団結し、郷村制と呼ばれる自治組織が
つくられた。
伊勢の御師たちは、郷村制の組織のもとに赴き、伊勢信仰の布教を行ない、
村全体を信徒にした。
→「伊勢講」の起源
応永14年(1407)に中流貴族により結成された「神明講」が最も古い。
 『10人ほどで結成された神明講が毎月25日に開催され、酒や食事を楽しみながら歓談
した。』という記録が残る。

江戸や関東周辺からの伊勢講は村単位で4・5人の代参が多く、それが何組か一緒に
なって参宮を果たした。
 

‣まとめ
 室町時代から登場した御師によって、旅の原型が形成された。近世になると、生活の安定や交通網の整備、出版の文化が発展し、旅の文化が形成されていった。
 今回は時間の都合上、代参犬の話まですることができなかったので、更に調べていきたいと思う。

‣感想
 今回の発表では、「旅」をテーマとした。きっかけは、自分が関心を持っているのが、観光・旅行業であり、半年旅行業務取扱管理者の勉強をしていたこともあり、旅行の歴史について調べたいと思ったからだ。今回調べて、今とは全く違う状態の旅ではあるが、人々は生活の中の楽しみとしていたことがよく分かった。今度は、今回調べた時代の前後も調べてみたいと思う。



‣参考文献
『絵図に見る伊勢参り』 編者  旅の文化研究所 2002年10月30日 河出書房新社

『一日江戸人』      著者  杉浦日向子  2012年6月10日  新潮社

『お伊勢参り』      著者  鎌田道隆   2013年2月25日  中央公論新社

『図説 地図とあらすじでわかる!
伊勢参りと熊野詣で』  監修者 茂木貞純   2013年5月15日  青春出版社

『シリーズ 日本の旅人
江戸の旅と出版文化』  著者  原純一郎   2013年12月3日  三弥井書店

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